アップUP通信

「ウクライナとその歴史」(4月号Vol.126)

ひまわりの絵 最近「ウクライナ」という国の名前を見ない日はありません。
皆さんはウクライナについてどれだけ知っているでしょうか?私は国名くらいしか知らなかったので、
ウクライナに大規模原発事故が起こったチェルノブイリがあると、今回初めて知って驚きました。

ウクライナの歴史を調べてみるとロシアとの深いつながりが見えてきました。

(ウクライナの国花はヒマワリで、国鳥はコマドリです。)

コマドリの絵

 

ウクライナってどんな国?

ウクライナはロシアの隣にある国で、
国土の大半を豊かな平原や高原が占めており、小麦を中心とした農業が盛んです。また黒海に面した国で、黒海から海峡を抜けると地中海につながることから、
クリミア半島を中心に軍事的拠点として利用された歴史もあります。

これらの理由からウクライナの国土は、様々な国や民族による支配戦争が繰り返されてきました。

ウクライナの国旗(左)と国章(右)

ウクライナの国旗(左)と国章(右)

 

ウクライナの歴史

キエフ大公国(キエフ・ルーシ) 882年頃~1240年

ウクライナの首都であるキエフを中心に、
現在のロシア(モスクワ周辺)・ウクライナ・ベラルーシの土地に栄えた国家です。

そのためこの3国は文化的祖先が同じとされ、切っても切れない繋がりがあります。

現在のウクライナ国章はキエフ大公国朝の紋章に由来し、
国旗に使用されている青と黄色が使用されています。

 

支配戦争時代 1240~1917年

キエフ大公国は小国に分断され国力を失い、モンゴル帝国、ポーランド、
スラブ人農民を起源とする武装集団・コサックなどに次々と支配される時代が続きます。

最終的にキエフ大公国から分断された小国の1つ・モスクワ公国を起源とする
ロシア帝国に120年間支配されることになります。

 

ソ連編入時代 1917~1990年

第一次世界大戦終盤にロシア革命によりロシア帝国が滅亡すると、
ウクライナはドイツの力添えを得て独立を果たします。

しかしロシア帝国に代わって成立したロシア共和国により1922年にソビエト連邦が成立、
ウクライナはソ連に編入されました。

形式的には独立国ですが事実上ロシア共和国に支配され、
第二次世界大戦下ではドイツの侵攻により戦場になりました。

第二次世界大戦後もソ連の一国家として、
アメリカ・イギリスを中心としたNATO(北大西洋条約機構)と敵対し、冷戦状態を深めていきます。

 

ウクライナ独立後 1990年~

冷戦の終結とともにソ連が解体されると、ウクライナは名実ともに独立国となり、
ロシアを中心とした他の旧ソ連国家とCIS(独立国家共同体)を結成します。

しかし国民の多くはロシアの影響力から脱し欧米諸国へ歩み寄りたいと思っていたため、
クリミア半島やウクライナ東部に住むロシア人と対立していきます。

●2004年:親欧米派の大統領が誕生し、NATO加盟の機運が高まる。
●2010年:再度親露派の大統領に替わり、政情が不安定な状態が続くことに。
●2014年:親欧米派による反政府暴動に対し、ロシアがクリミア半島の併合を宣言。
またウクライナ東部もウクライナからの分離を表明し、大規模な内戦へ発展。

以後何度か停戦合意が結ばれるも、断続的な戦闘が続きます。

●2018年:ウクライナはCISから脱退。
ウクライナがNATOへの加盟を希望したため、ロシアからの圧力が強まっていく。

●2022年2月:ロシアがウクライナに侵攻する。

 

ロシアの国旗の歴史と意味

元はロシア帝国の国旗として1699年からソ連成立の1922年頃まで使用され、
1992年のソ連崩壊後ロシア連邦の国旗として復活しました。白は高貴と率直の白ロシア人(ベラルーシ人)を、青は名誉と純潔性の小ロシア人(ウクライナ人)を、
赤は愛と勇気の大ロシア人(現ロシア人)を意味すると言われています。

この3色は汎スラブ色と呼ばれ、民族の共通の起源を象徴しています。

 

 

冒頭で軽く触れましたが、ウクライナの国花はヒマワリです。

ひまわり」という、まだソ連であったウクライナで撮影された
第二次世界大戦で離れ離れになった男女の愛を描いた名作映画があります。
2020年に公開から50周年を迎え、再び注目を浴びている映画です。

 

さて、日本の国花は(法的に定められていませんが)桜と菊です。

菊は天皇や皇室を象徴する花で、家紋に使用されています。

桜については、このような記事を書いていました。
こちらも合わせてぜひお読みください。

https://test-www.widesoft.co.jp/news/4793

 

もうすぐ桜の季節ですね。
今年はゆっくり花見ができたらいいと思っています。

 

2022年4月号(アップUP通信)

使用画像:Flameillust、イラストAC、白地図専門店、Wikipedia
出典:世界史の窓、株式会社さらご「世界の国旗図鑑」、Wikipedia
作成:株式会社ワイドソフトデザイン

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