【ワイドの本棚】『読書の技法』
初回ですので、読書術に関するこちらを選びました。再読です。
当時、著者の本を一度読んでみたいと思っていて、最初に読んだのが本作がでした。
元外務省主任分析官で、鈴木宗男元議員の事件に絡む背任容疑等で起訴・有罪となり失職。
その後、作家となり多くの書籍を出版しています。
本書の内容は著者の読書術を体系化したもので、三部構成となっています。
第1部「本はどう読むか」
多読の著者は月平均300冊に目を通すそうです。それを実現させるために、
「超速読」-「普通の速読」-「熟読」の三段階を踏みます。
まず「超速読」。
1冊5分で目を通し、本を4つのカテゴリーに分類。
(1)熟読する必要があるもの
(2)普通の速読の対象にして、読書ノートを作成するもの
(3)普通の速読の対象にするが、読書ノートを作成するには及ばないもの
(4)超速読にとどめるもの
(2)(3)は「普通の速読」。
1冊30分。本の内容を記憶に定着させるため読書ノートを作成し、重要な部分を書き写します。
特に難しくことではなく、読む際に線を引いたり、ポストイットを貼ったり、ページの角を折ったり等々。
そしてそれらをノートにまとめます。他の読書術でも多く見られる内容ですね。
まぁ、できてませんけど。。。
“これは”という(1)は、じっくりと「熟読」。
月に4~5冊程度になるそうで、もちろん読書ノートも作成します。
第2部「何を読めばいいか」
本を読むには高校レベル(大学受験レベル)の基礎知識が必要であり、それを補足・強化する方法を説明しています。
小説や漫画も勧めていますが、あくまでも娯楽に留め、それらから基礎知識を学ぶことは避けるべきと言っています。ステレオタイプの思考に陥るからだそうです。
文中には、おすすめ書籍の紹介や実際の書籍を例にした説明が多々あるのですが、これがほとんど知らない本で・・・著者の言う基礎知識の欠損を痛感。
また、おすすめ漫画「クレヨンしんちゃん」のくだりでは、
しんちゃんが通うあくしょん幼稚園は「社会の縮図」、家庭や幼稚園での人間関係は「人間と人間の関係の縮図」として読むことができる。・・・(中略)・・・それは幼稚園でのストレスに加えて、母親の吸引力があまりに強いからだと筆者は考える。母親のみさえにとって、しんちゃんは自分の延長であり、彼を自分の思い通りに育てようとしている。ユング心理学で言うところの「グレートマザー」だ。しんちゃんにとって本当の友達は犬のシロだけではないだろうか。
・・・「知の巨人」、ここまで深読みしますか。
第3部「本はいつ、どこで読むか」
著者の日常における読書の位置付け。
1日の睡眠は毎日3時間、読書は4〜6時間だそうです。真似をしないようにとのこと。
本好き故、ビジネス書の類も読み物として選んでいましたが、技術書のように目的意識を持って選択しなければいけませんね。
4つのカテゴリに分類し、スクリーニングする方法は参考にしたいと思いました。
勉強法の指南としても有益ではないでしょうか。
(S)