今月のテーマは漢方薬です。漢方薬に限らず、薬はみなさんの生活になくてはならないものです。病院に行くほどではないから、病院に行く時間がないからとドラッグストアで薬を購入することがあると思います。がいるかもしれませんね。
元漢方薬局員の総務お助けウーマンの知識が、皆様の生活にお役に立てれば幸いです。
漢方薬はお薬ですか? サプリメントですか?
始まりは五千年も昔、中国古代神話上の農業神が、あらゆる草を自身の命をかけてなめては薬効を試しました。その後、医学の神(神農)となり、薬として発展しました。現代においても、薬の町として知られる大阪道修町では毎年盛大な神農祭が催されています。
日本においては古来より効果を伝承された薬草が民間薬として存在し続けています。 例えば、ハトムギ、ジュウヤク、柿の葉、トモロコシのヒゲなど、多くあります。これらの薬草は単品で煎じて、その汁をお茶のように飲み続けると効果もあり、たとえ飲み過ぎても副作用もなく、安心して飲めます。 これが民間薬であり、サプリメントに近いものと言えるでしょう。
では漢方薬とはどのようなものを指すのでしょうか。 「方」と言う字義は処方薬、治療薬を意味し、病人の症状を見聞し、原因を分析し、 多くは2~20種類もの薬草を組み合せ処方します。 この分析を誤れば却って症状が悪化する可能性が大きいので、専門知識が必要なれっきとしたお薬なのです。
漢方薬の効果的な使い方は?
病気には急性病と慢性病がありますが、漢方の得意とする病気は急性病では風邪ひきです。
①身体が熱っぽく、ゾクゾクと寒気がする、頭痛がある、肩がこる場合
一刻も早く「葛根湯(かっこんとう)」を服用することをオススメします。 温水で服用し、あとで「おうどん」などの熱いものを食べて、温かくし、汗が出ると一気に改善します。
②身体がダルイ、鼻水がタラタラ出る、咳とクシャミ、泡の混じったような痰が多く出て、ゼロゼロ音もする場合
「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」がオススメです。アレルギー喘息、冷え症(クーラー病)の人には効果的です。
西洋医薬品との使い分け
風邪にかかって1日か2日以内であれば、葛根湯、小青竜湯が効くのですが、3日、4日と 経つにつれて病原菌が体内に侵入してしまい、鼻汁が粘こく黄色くなり、痰が出にくく咳が激しくなると 西洋医薬品(抗生物質)の方が早く良くなります。抗生物質は3~4日であれば副作用も少なく安心して服用出来ます。病気の進行度に合わせて上手に薬を使い分けるのが大切です。
慢性病で漢方が得意とするのは虚弱体質が原因となり発症した病気です。病気というのは、どんなに効果が あると認められたお薬であっても、人間の身体が持っている力(免疫力)が弱いと治りません。漢方薬で体質改善し、免疫力を高めます。自らの免疫力を高め、そこから始めることで慢性病も克服は可能です。
漢方薬はいつ飲めばよいのでしょう
一般的に薬を服用するタイミングには<食前><食間><食後>があります。漢方薬も同様です。
薬の服用時間は飲み忘れを防ぐために決められています。
<食前>食事の20~30分前
漢方薬はおおむね胃腸に悪影響が少ない為、 胃腸の中に内容物が少ない食前に服用した ほうが、胃腸の中で薬が薄まらず、効果があります。しかし、漢方薬の中には服用後、胃が 重く感じたりするお薬もあります。 その時は胃腸に食べたものが入っていて、薬の刺激が和らぐ食後に服用してもかまいません。
<食間>食事と食事の間
食間は文字から食事中に薬を服用するイメージがありますが、 実際は食事と食事の間に薬を服用します。食事を終えてから 2時間ほど経ってから服用します。
<食後>食事の後、20~30分後
空腹時に服用すると刺激が強い薬や、食後の不快な症状を和らげる薬に向いています。飲み忘れにご注意ください。
漢方薬はお水よりも温水で服用するのが効果的です。薬の注意書を読み、薬剤師の指示に従ってください。
作成:株式会社ワイドソフトデザイン_Y.K、