12月14日は赤穂浪士討ち入り事件が起こった日。 年末になるとよく見かける『忠臣蔵』は、その事件をもとにしたお話です。長く愛されてきた忠臣たちの物語と、その忠臣たちにゆかりのある赤穂のまちについて調べてみました。 |
赤穂浪士たちの物語
『忠臣蔵』のもとになった赤穂事件
元禄14年3月14日、赤穂藩主の浅野内匠頭が江戸城の松の間で、高家の吉良上野介に切りかかる事件が起きました。
将軍徳川綱吉はこの出来事に大激怒。浅野は即日切腹、浅野家は領地や身分を没収されました。
一方の吉良は軽症でお咎めもなかったため、浅野の家臣たちが反発。
浅野家筆頭家老の大石内蔵助は、お家再興に動きましたが思うようにいかなかったため、吉良邸討ち入りを決意しました。
浅野の命日の12月14日の夜、46人の家臣を引き連れて討ち入りし、吉良の首を取って浅野の墓前に供えました。
その後討ち入りを幕府に報告し、幕府の命に従って全員切腹しました。(所説あり)
『忠臣蔵』とその関連作品
理不尽な苦境の中、主人の仇を討った忠義の士たちの姿が町人たちの心を打ち、赤穂事件を題材とした作品が数多く作られました。
その中でも、事件から47年後に公演された人形浄瑠璃『仮名手本忠臣蔵』は、現代でも愛される『忠臣蔵』の原点になりました。
人形浄瑠璃
幕府が同時代の政治的事件を上演することを禁じていたため、室町時代を舞台に創作されました。 登場人物も全く違う名前でしたが、庶民には赤穂事件のオマージュとして広く知られていました。討ち入りのシーンを大きく取り上げている作品が多いなか、 『仮名手本忠臣蔵』は討ち入り前の人間模様を大きく脚色し、色恋沙汰まで盛り込まれた創作物になっています。 |
歌舞伎
人形浄瑠璃で公演された同年に、歌舞伎でも公演されました。
「早替え」と呼ばれる1人の役者が瞬時に多くの役を演じ分ける手法や
人形のような姿(人形身)から人間に変わっていくなど、人間が演じるからこその演出も盛り込まれています。
『東海道四谷怪談』
お岩さんで有名な怪談ですが、実はお岩さんは塩谷家(史実でいう浅野家)家臣の娘という設定。 この演目は『仮名手本忠臣蔵』と同時上演されていました。 |
落語
落語における忠臣蔵は、そのまま語るのではなく裏話や笑いの種として演じられました。
説明不要のエピソードとして町民によく知れ渡っていた証と言えます。 |
映画・ドラマ
赤穂事件や忠臣蔵を元にした映像作品は数多く作られています。
人気があるのは『忠臣蔵(1958年・大映)』『赤穂浪士(1961年・東映)』『忠臣蔵(1985年・日テレ)』など。
最近では討ち入り予算に視点を当てた『決算!忠臣蔵(2019年)』や、
ファンタジー要素が盛り込まれたキアヌ・リーヴス主演『47RONIN(2013年)』などオリジナル要素がプラスされ長く愛されています。
赤穂の観光地
赤穂市ってどこにある?
兵庫県と岡山県の県境に位置し、神戸から車や電車だと1時間半で行ける距離。古い町並みが残る観光地として強い人気があります。
赤穂城跡公園
初代浅野家当主により建てられた城。
城郭と庭園が有名で、天守閣は建てられていません。 大石内蔵助の屋敷や大石神社もこの公園の敷地内。 |
大石神社
47人の赤穂浪士や浅野家を祭る神社。
江戸時代祀ることが許されなかったため、明治に入って建立されました。 |
海洋科学館・塩の国
塩づくりの町として栄えた赤穂。
瀬戸内海と塩をメインテーマに、 昔ながらの塩づくりも無料で体験できます。 |
赤穂温泉
2000年に新しく掘りなおされた、別名「よみがえりの湯」。
ミネラルと塩分を多く含む保温効果が高い温泉。 播磨灘に面した高台に位置するため、美しい景観を眺めることができます。 |
2021年12月号(アップUP通信)
使用画像:Flameillust、イラストAC、赤穂市HP「赤穂フォトライブラリー」
出典:文化デジタルライブラリー、くすおの忠臣蔵作品評、gooランキング「面白かった『忠臣蔵』の映画、ドラマは?」、赤穂市HP、Wikipedia
作成:株式会社ワイドソフトデザイン
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