アップUP通信

「パンデミック」(3月号Vol.101)

 

こんにちは、おもちライダーです。

アジアを中心に新型コロナウイルス、アメリカではインフルエンザが猛威をふるっています。
こういったとき、よく目にする「パンデミック」という言葉。
なんとなく意味は知っていても、状況的にどういったことを指すのか、皆さんご存じでしょうか。

現在のような状況は、2009年の新型インフルエンザの流行時にも起こっていました。
今回は当時のことを振り返りながら、「パンデミック」について調べてみました。

 

パンデミック – 英:pandemic –

 感染症が複数の地域や国にまたがって世界的に流行すること。

警戒期などを経て、パンデミックと認定する。

 

 

2009年新型インフルエンザ・パンデミック

 

4月初旬:南米で若年層を中心に感染が拡大。

従来のインフルエンザと比べると死亡数が高く、世界に緊迫感が走った。

 

4月23日:世界保健機構(WHO)が 「国際緊急事態」を宣言

「国際緊急事態」宣言とは

正式名称を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」といい、2005年に制定。

大規模な疾病発生のうち、国際的な対応を特に必要とするものを指定することが出来る警告のこと。

2014年エボラ出血熱や2015年ジカ熱等が指定された。今回の新型コロナウイルスも指定済み。

 

5月初旬:新型インフルエンザ 日本上陸

 

5月18日: 三菱東京UFJ銀行 三宮支店 行員が感染との発表

社内で感染者が… 接客サービスはどうあるべきなのか

三菱東京UFJ銀行 三宮支店に勤務する20歳代の女性行員が新型インフルエンザに感染。感染拡大を防ぐため、三宮支店と同じビル内にある三宮支社の行員計約70人全員を自宅待機させた。その上で周辺の支店などから行員30人を派遣し、営業を続けた。対応窓口や外回り業務を減らし、ATMコーナーなどを消毒して稼働させた。

当時このような全社員自宅待機は画期的であったといい、即日の対応が功を奏したケースと言える。

こういった「災害などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画」を事業継続計画(BCP)といい、特に緊急時の初動計画に注力することが多い。

 

6月:WHOが パンデミック宣言 (1地域内で2か国+別の地域1か国以上で爆発的な感染の発生が目安)

 

 

翌年8月:WHOが新型インフルエンザのパンデミック終息宣言

 

しかし宣言の基準は越えているものの、重症度や致死率の観点と、宣言に対し企業との癒着があったとの疑惑から、

パンデミック宣言を出すほどではなかったと非難が起こり、宣言に至る体制を見直すことになったそうです。

 

 

新型コロナウイルスをパンデミックにしないために

パンデミックは致死率が基準ではなく、国中や他地域への広がりが重視されます。感染者の4割が死亡したエボラ出血熱やアジアでのみ爆発感染したSARSですらパンデミックとは宣言されていません。パンデミック危機は予測されていますが、WHOは非常に慎重に現状を観察・判断し不要な緊張感を煽らないようにしています。

 

そういった中で、私たちにできることは「あせらない」「情報を得る」「やれることをやる」ということです。

誇張した情報やデマに踊らされず、手洗いうがいやマスクエチケットをきちんと行いましょう。栄養バランスのいい食事や良質な睡眠をとることで、体調を整え免疫力を上げることも大切です。また、買い占めのような一人よがりの対策ではなく、社会全体で予防していくことが感染拡大を防ぐ大きな力となります。

 

 

いかがでしたか?
過去の事例を振り返ることで見えてくるものがあると思います。
どうしてWHOはパンデミック宣言にこんなにも慎重なのか、私たちは今どう行動すべきか考えるきっかけにしてください。

特に昨今さまざまな情報が飛び交い、人の善意や無知につけこんで信憑性の薄いデマが拡散されているのをよく見かけます。
例えば私たちのアップUP通信でさえもネット情報の中のたった一つです。
もちろんきちんとソースを調べ正しいことを記載はしていますが、全てを鵜呑みにするのではなく、
知らないことを正しく知るため、何を調べたらいいのか分からない方への足掛かりになればと思います。

 

もう少しで春ですね。
コロナウイルスだけでなく風邪の季節、キチンとした対応で乗り越えましょう!

 

 

使用イラスト:イラストくん、イラストレイン、Frameillust

出典:厚生労働省・内閣官房資料、感染症情報センター、読売新聞、Wikipedia

 

作成:株式会社ワイドソフトデザイン

2020年3月号(アップUP通信)

 

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