技術ブログに書くには推奨出来る内容では無いのと、自宅での出来事なのでこちらに書きます。
無停電電源装置(UPS)の警告音ブザーを調査
一家に一台は普及したであろう無停電電源装置(UPS)、きっと皆さんもお持ちですよね?
停電や雷(サージ)対策など、守るべき情報・機器が増えた現代では必須なのではないかと思います。
自宅では3台の無停電電源装置が稼働しています。メーカーや型番はナイショです。
・モデル①(常時商用/矩形波出力)…2台
・モデル②(ラインインタラクティブ/正弦波出力)…1台
何れも購入から年数が経っているのですが、モデル①2台は2週間毎のセルフチェックでバッテリー異常の警告音が鳴るようになってしまいました。
※鳴動時に日時をチェックしていて気付いたのですが、2週間=168時間ではないようで±数時間の幅がありました。
この2台はほぼ同時期に購入したのですが、警告音がなるようになったのも同時期、ある意味品質が揃っていることに感心してしまいます。
毎回接続機器をシャットダウンし、電源の再投入でお茶を濁していたのですが、そうこうしている間にモデル②が初めての警告音を発しました。
こちらは元々予備として、何も機器を接続せずに設置しておいたものですが、電源再投入でも警告音が鳴りやみません。
「仕方ない。ちゃんとチェックするか」とバッテリーを取り出してみると…
はい、ものの見事に膨らんでというか両側面が割れています。
完全密閉型の12V鉛バッテリーなのですが、過充電でガスでも発生したかのよう。
電圧をチェックすると
うん、もうダメですね。セルが死んでいるようです。
パルス充電とは?仕組み
幸い予備の新品バッテリーも持っていたのですが、数年間補充電もせずに放置していたので使えるかどうか…
取り敢えず、充電して試してみましょう。
この充電器は通常のものとは違い「パルス充電」機能を持っています。
「パルス充電」とは簡単に言うと「一定周期で電気的な振動を与えて充電する方式」で、弱ってしまったバッテリーのリフレッシュに効果があるとされています。
サルフェーション除去とは?意味
鉛バッテリーは放電時に化学反応によって硫酸鉛が発生します。
放電後、速やかに充電を行えばこの硫酸鉛は電解液に溶け込むのですが、そのまま放置すると硫酸鉛が結晶化(=サルフェーション)してしまい、電極板に貼り付いて充放電を阻害してしまいます。
自動車などにも使われる鉛バッテリーは、満充電維持が望ましいと言われるのはこの為です。
「パルス充電」ではこの結晶化した硫酸鉛を除去出来ると謳われており、バッテリーの性能を(ある程度)取り戻す効果が期待出来ます。
充電後、モデル②に戻してみました。
セルフチェックを通過し、通常起動しました。取り敢えず問題無さそうです。
※バッテリーゲージがフルになっていないのが気になりますが…満充電とみなす電圧が高め?
※UPS自身で充電するとゲージがフルになるのは確認済み。
パルス充電でサルフェーション除去した時間、効果
次はモデル①のバッテリーを取り出してみます。こちらは目視での異常は見られません。
先の充電器に接続してみます。
充電は始まりましたが、すぐに満充電となりました。電圧の異常は無さそうです。
コールド・クランキング・アンペア(CCA)もチェックしたいところですが、計測する手段を持ち合わせていません。
サルフェーションが発生しているか分かりませんが、リフレッシュの意味を兼ねて維持充電モード(パルス充電)のまま、二か月ほど放置してみます。
………
復活している事を期待して、モデル①にセット。機器を接続して電源を投入します。
…大丈夫そうです。※バッテリー異常の場合はLEDが赤色に点灯。
…更にここから、一か月ほど運用しましたが警告音は鳴らないようになりました。
一応の効果はあったようで、もう暫くは使えそうです。
現在はもう一台のモデル①のバッテリーも充電器で維持充電中です。※こちらも電圧は異常なし。
無停電電源装置(UPS)のパルス充電は知識のある人だけ
サンプル数が少ないのと、分解してチェックしていないので何とも言えないのですが、症例だけをみると
モデル①…UPS自身の維持充電が不足気味?
モデル②…UPS自身の維持充電が過剰気味?
のような印象を受けます。前者は対処のしようがありますが、後者はちょっとアレですね。
無停電電源装置本体、バッテリーとも耐用年数がメーカーで定められていますので、それに従うのが筋なのですが
・お財布の事情とか
・お財布の事情とか
・お財布の事情とか
色々と考えさせられてしまいます。まあ、勿体ないという気持ちが大きいのも確かです。
私の場合は、不具合とか故障は(最近は随分と腰が重くなりましたが)
「分解・修理(という名のお遊びの時間)キタ―――(゚∀゚)――― !!」
と捉えていますので、自己責任で引き続き様子を見てみたいと思います。
皆さんは決してマネをなさらぬよう「ふーん」という感じで読み流して下さいね。
取り扱いを間違えると危険なものには違いありませんので。