アップUP通信

総務グループのアップUP通信5月号 Vol.91

 

昼も夜も私たちの生活に欠かせない電力

2016年4月に電力の自由化が始まりました。

新電力時代です。考えてみますと重大な意味が浮かび上がってきますね・・・

日本の食料自給率はカロリーベースで約38%と言われますが、エネルギー自給率はさらに低く、約8%しか ありません。

これからもエネルギーの安定確保、電力の安定供給を実現していけるのでしょうか…。

日本は現在、火力発電が約8割を占めています。

その燃料はすべて海外に依存していて、海上輸送のシーレーンに危うさを感じるむきもあります。

「準国産」とされている原子力発電は現在、軒並み停止をしています。

特定の発電方法に依存するのでなく、多様な電源をバランスよく組み合わせる必要があります。

 

電気はどうやって作られるの? 発電の種類

発電の方法は実験段階のものを合わせるとなんと数百に及ぶと言われています。

主力の火力発電の基本的な原理は、下記の通り。

火力発電

燃料を燃やす

熱エネルギーから水蒸気を発生させる

水蒸気でタービンを回す

タービンの回転から電気エネルギーを取り出す

 

水力発電だと、水の力で水車を回転させて、その回転動力で発電機を動かします。

原子力発電だと、原子炉で核燃料の原子核を分裂させる → 分裂時に発生した熱で水を温め 水蒸気を発生 → その水蒸気でタービンを回転させて発電します。

他に、太陽光発電風力発電地熱発電などもあります。

地熱発電はマグマから発せられる地熱によって蒸気を発生させタービンを回転させ発電して います。

これは火山国ならではの発電方法ですね!地熱発電はまだ少ないですが、東北や 九州を中心に展開しています。

燃料が不要で半永久的に利用できますが、温泉など景観の よいところが多いので周囲との調和をはかる必要があります。

 

地産地消を目指す地域新電力

電力自由化の参入企業は100社以上もあります。

送電網は今までと同じだから安心でもあります。

各自治体では自然エネルギーとして太陽光発電・風力発電・バイオマス発電(廃材やさとうきび・とうもろこしに至るまで)

などやごみ焼却熱による発電など多くの発電が行われており、その事業化で経済的循環を考えている自治体も多くあります。

 

メリット                 デメリット

地域経済の活性化につながる       価格競争が乏しい

雇用の増加 エコ効果             電気代がたかくなる

 

新電力とは

大手電力会社10社以外の新しい電力会社のことです。(新種の電力のことではないんですよ!)

その中でも、「発電」だけ行う会社、「発電」と「電気の小売り」を行う会社、

「電気の小売り」だけを行う会社があります。

ただし、対象を一般家庭と考えた場合、 「新電力」=「電気の小売りを行う会社」と理解して問題ありません。

ちなみに、 電気の小売りを行う新電力は、正式には 「小売り電気事業者」と呼ばれます。

小売り電気事業者は、発電を行っている発電業者から電気を買ったり、

JPEXとよばれる電気の取引市場から電気を購入して各家庭に電気を販売しています。

 

シェール革命

地下2000mより深くに位置するシェール層。

オイルやガスが眠っていることはわかって いましたが、技術的にもコスト的にも掘削が困難とされていました。

2006年、米国でその開発が始まり生産が本格化すると、米国の天然ガス輸入量が減少し、国内単価も低下しました。

これが21世紀最大のエネルギー革命「シェール革命」です。

現在米国は世界最大の天然ガス生産国になり、 世界のエネルギー事情や政治状況にまで大きなインパクトを及ぼしています。

日本でも、2018年5月にシェールガス由来の液化天然ガス(LNG)が横浜港に到来しました。

シェール革命により天然ガスのコストが下がり、発電単価が石炭火力発電を下回るようになってきています。

 

 

出典:資源エネルギー庁HP、 ソフトバンクHP、「世界史の大逆転」佐藤優・宮家邦彦

作成:株式会社ワイドソフトデザイン_akiko

2019年5月号(アップUP通信)+(セキュリティ通信)

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